環太平洋ガンバ大会
いよいよ一般参加者募集 開始!
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(会報No124より)
いよいよ、どのような会になるのか姿が見えてきました。各国の希望を入れて議論をするうちに「遊び」もできるが、研究発表、講習会、会議も展示会もあるという多彩さが浮かび上がってきました。これは、アマもプロも各国から集まって、一層実り多く意義深い会にしようとしているのです。
経過報告
この大会は、環太平洋諸国の中からガンバ協会のある米国、日本、豪州の各協会が共 同して主催しますが、ハワイが米国にあるため、実質はVdGSA(アメリカのガンバ協会)が
主体的に企画をしています。それでは、会報123号以後の新しい展開からご報告します。
昨年12月1日に締め切られた提案募集には、なんと20件、9カ国40名の応募があり、内容は実に多岐に渡っていました。多様な顔ぶれが揃うことこそが本来の、自然で、かつ、
最も臨むべき姿だとの結論に達したため、キーノートパーソンの選抜は断念しました。
それに伴い、提案者参加の条件が少し変更になりました。VdGSAは一般参加者が参加 しやすい参加費額に納めることを前提として、堅実な経費を計算したところ、提案者に
は旅費は全員一律で自分持ちとするが、宿泊・食事・参加費は免除すると決定いたしま した。旅費はもともと自前だったのですが全員一律が明記されたところが変更箇所です。
この新しい条件で提案者全員に再度出欠を尋ね、イベントを構成することになりまし た。VdGSAは30人と見積もっていますが、それが誰になるのかはこの会報発行の3月20日
頃に、VdGSAのウェブサイトに発表です。下記の募集要項には全員が掲載されています。
総予算は24,500ドル(約300万円)で、VdGSAは日本と豪州の両協会に開催負担金合わ せて2500ドル(30万円、全体の約10%)を求めています。今後、協会の会計よりご支援を
お願いするかもしれませんが、会員の皆様には、この大会の意義をご理解いただきたく ご協力よろしくお願いします。
まず、大会の第一の意義は、日本のガンバ協会にとって、これが初めての国際的な活 動になるということです。これは、国際的に活動できる団体に成長するチャンスです。
第二に、ヨーロッパから離れた地域で、ヨーロッパの古楽器に関わっている人々との連 携を図っていこうということです。太平洋を取り巻く地域にいる数多くのガンバ関係者
が情報を交換し合うという場の提供になります。第三に、アジアで古い歴史を持つ日本 のガンバ協会がこれから何をしていくべきなのかを考える機会にするということです。
あなたが、今回は参加できなくても、展示しやすい形にまとめていただければ、あなた自身が日本に居ながらにして、当日の大会の会場へ提案をするという形もあります。
例えば、ガンバの愛好者のみなさんから、「日本に来たら一緒に合奏をしましょう」 「数日間ならば私の家にに泊まれます」「楽器も楽譜もあります」などの情報を発信す
ることもできます。また、楽器製作家や演奏家の方々からは、環太平洋をターゲットと して、仕事なり、貢献をしたい方々の資料を他の国々の方に紹介することなどもありま
す。具体的な提案の方法としては、あなた自身の写真・得意分野(演奏家ならフランス ものの演奏、楽器製作家なら7弦のバスガンバなど)・言語・条件・経歴・連絡先など
を一枚の用紙にまとめていただき、展示可能な形のファイルにしてくだされば、それを 展示場で公開します。CDなど視聴覚に訴える展示物なども、あったほうがいいかもしれ
ません。また将来、環太平洋ガンバ大会と日本のガンバ協会の夏期合宿とをジョイントさせるなど、いろいろな提案があってもいいと思われます。
今後,JPPGG実行委員会と協会とは役割分担をすることとし、JPPGG実行委員会は運営上の実務を、各国協会の関係と財政面を協会が執ることといたしました。双方とも会の
成功と協会の発展に協力していくつもりです。ご理解の程をよろしくお願いします。
(JPPGG実行委員会代表 青木博彦)
この1月から新理事に替わりましたので、当委員会のメンバーは、上記代表、赤坂忍(VdGSJ会長)
阿部真紀子(VdGSJ会計)、赤坂秀機、橋都みどり、神戸愉樹美、小澤絵里子(国内事務局)です。
なぜ、環太平洋なのか
私たちは、ジェンキンス・マレ・バッハなどなどの音楽が好きでガンバを弾いています。この奥深さと魅力は今後とも色あせないことでしょう。
環太平洋ガンバ大会では、 こうした音楽を共通語として語り合ったり、また、様々な演奏スタイルからそれぞれの 国民性を感じたりすることもできるでしょう。しかし、一方、現実にはヨーロッパの古
典よりも現代の感覚に強く反応する子供たちや、急激に自分本来のアイデンティティー に関心を寄せる米国があります。豪州からはアボリジニの旋律を用いた現代曲も披露さ
れると聞いています。
こうした、他国の古楽器であっても自国の感性を表出したいと思 う気持ちはごく自然なもので、身近なガンバの歴史にも例は多々あります。16世紀の伊
のマドリガルを英のコンソートが取り入れ、英のディヴィジョンを仏のマレが一巻に取 り入れ、後に独自の様式を完成しています。
では私たち日本人はどうガンバを愛でてい くのでしょう。諸国のプロ・アマとの親しい交流には、示唆に富んだ体験と、思わぬ楽 しさが発見できるにちがいないからです。
(JPPGG実行委員 神戸愉樹美)
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